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13日

Google:情報社会のリスク

Google:情報社会のリスク

■相次ぐ情報流失

4月10日に引き続き、4月11日にはJR東京駅やJR新大阪駅の平面図も誰もが閲覧できる状態になっていたことが判明しました。誤って非公開にしておかなければならない情報を、グーグル社員らが公開していたからだとされています。

■Googleの革新

Gメールはこの10年間で利用者数が5億人を超えたようです。私もGメールの登場までは他のメールサービスを利用していたのですが、Gメールの利点を知ってから切り替えました。一番の理由は、検索機能が優れているからです。

受送信したメールは自動的に保存され、キーワードを入れるだけで膨大な量のメールの中から該当するメールを探し出してきてくれます。しかも、最近は、受信メールを自動的に、メイン、ソーシャル、プロモーションの3種に振り分けてくれるので、大量のメールを手際よくチェックすることができます。その上、保存量が多い。これも重宝している理由の一つです。

それ以外にもさまざまな機能があります。Gメールにはいったん利用すると手放せなくなってしまう利便性があるのです。だからこそ、世界最大のメールサービスを提供するようになったのでしょう。とはいえ、はたして利便性だけでGメールを重宝がっていていいものか、という問いかけがCNN電子版(2014/4/1)に掲載されています。

「Gmail at 10:How Google dominated e-mail」というタイトルの記事です。

詳細はこちら。http://money.cnn.com/2014/04/01/technology/gmail/

この記事では、グーグルがこの10年間でさまざまなイノベーションを行ってきたことを評価しています。また、グーグルが行ってきたイノベーションは必ずしも利用者に受け入れられたわけではありませんが、グーグルがイノベーションを続ける姿勢を崩さないことも評価しています。

■プライバシー侵害

ただ、プライバシーについては、たとえば、グーグルが2010年2月から提供しはじめたソーシャルネットワークであるGoogle Buzzの例をあげ、みじめな結果に終わったとしています。Google BuzzはGmailと連動させて利用促進を図っていたサービスでした。そのため、サービス開始当初から個人情報の流出が危惧されていたようです。このサービスは、プライバシーに疑義が生まれたせいで、ほどなく終了し、今ではGoogle+に一本化されています。ストリートビューもまた大きな論議を呼びました。

New Logo Gmail.svg

 

■信頼性、安全性

信頼性に関しては記事は、グーグルがGメールからどんな情報を集め、それに基づき、どのように利用者に広告を提供しているかについては明らかにしようとしてきたと述べています。

Gメールの場合、受信したメールは自動的に解析され、内容に関連する文字の広告が表示されるようになっています。つまり、勝手にメールが覗き見されているのです。ですから、それが利用者を不快にさせていることも事実です。ところが、これについてGoogleは、電子メールの自動スキャンはプライバシーの侵害には当たらないという態度のようです。私もそれがわかっていながら、結局、Gメールは利便性が高いので使っています。

■フリーメールの安全性とリスク

私のように、グーグルによって受信メールがスキャンされていることがわかっていても、利便性の方を優先させてしまっているヒトは多いのではないでしょうか。無料であり、利便性が高いのであれば、プライバシー等のリスクは見逃してしまうというような・・・。

もっとも、電子メール自体、その信頼性は非常の脆いのだそうです。さらに、Gメールの信頼性、安全性については次のような指摘もあります。

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Gmailというシステムは、そのメールというプロトコル自体の脆弱さを抜きにすれば、セキュリティとしては個人が利用できるものではほぼ最高峰に近い。

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詳細はこちら。http://blogos.com/article/68266/

■情報社会のリスク

いまでは誰もが日常的に電子メールを利用しています。そして、メールは専門家、秘匿しなければならない部門の人びとも利用します。ですから、空港の情報流失等にみられるように、情報社会になると情報流失のリスクが高まってくることになります。いかにそのリスクを回避するか、一連の情報流失事件をみると、そのためのシステム構築の重要性がさらに高まってきたと思います。(2014/4/13 香取淳子)