■第2次高市内閣の発足
2026年2月18日、第105代内閣が誕生しました。第2次高市内閣が発足し、高市首相の記者会見が行われました。
こちら → https://www.youtube.com/watch?v=UyA-xfxlAz0
思い返せば、4か月前、第1次高市内閣は、衆議院の首班指名選挙で237票しか取れず、過半数を僅か4票上回るだけの勢力で発足しました。ところが、今回、解散総選挙で自民党が圧勝した結果、衆議院では350票を上回る得票で、高市早苗氏は余裕で首班指名されました。
安定した基盤の下、第2次高市内閣がスタートしたのです。
高市首相は、国民の皆様から力強く背中を押していただけたと感謝し、「責任ある積極財政」、「安全保障政策の抜本的強化」、「政府のインテリジェンス機能の強化」など重要な政策転換を推進していくと表明しています。
そして、「自民党、日本維新の会との連携を深め、政府・与党一丸となって政策の実現に向け、ギアを更に上げてまいります」と述べ、本日より、「高市内閣2.0」の始動です」と宣言しました。(※ 全文は、https://www.kantei.go.jp/jp/105/statement/2026/0218kaiken.html)
第2次高市内閣の発足に際し、第1次高市内閣のメンバーが全員、再任されました。

(※ 内閣府HPより)
この内閣メンバーについて、高市首相は、それぞれの政策分野で、先頭に立つのにふさわしい人材ばかりだと評価し、既に全速力で、政策実現にまい進してくれていると述べています。実際、このメンバーによって、短期間にうちにさまざまな事案が解決されています。
外交であれ、ガソリン税の減税であれ、第1次高市内閣はわずか4か月間で成し遂げました。このような実行力が、多くの国民に評価され、高市内閣の高い支持に直結していることは確かです。
■選挙後も高い内閣支持率
産経新聞社とFNNは、2月14と15日に合同世論調査を実施しました(固定電話、携帯電話で調査を実施し、全国の18歳以上の男女1008人から回答)。
その結果、高市内閣の支持率は、前回調査(1月24、25両日実施)比1.2ポイント増の72.0%でした。政権発足以降、5カ月連続で7割台の高水準を維持しているのに対し、不支持率は同0.6ポイント減の22.8%でした(※ 産経新聞、2026年2月15日)。
高市内閣が依然として、高い支持率を維持していることがわかります。
また、日本経済新聞社とテレビ東京は、2月13日から15日に世論調査を実施しました(全国の18歳以上の男女に、携帯電話も含めて乱数番号(RDD)方式による電話で実施し、回答率は39.1%、946件の回答)。
その結果、高市内閣の支持率は69%でした。1月に実施した前回調査よりも2%上昇したのに対し、「支持しない」は前回と同率の26%でした。

(※ 日経新聞、2026年2月15日)
第1次高市内閣が発足した際、自民党は少数与党でした。無事、首班指名を受けられるかかどうか、危ぶまれるほど基盤の脆弱な政党だったのです。維新の会と連立を組むことによって、ようやく首班指名を受けることができたほどでした。
国会では野党から、ヤジを飛ばされ、揚げ足取りの質問を浴び続けました。主要メディアは首相の失言を待ち構え、拡散の用意をしていました。いつ何時、倒れても不思議はないほど弱い内閣だったのです。
ところが、解散総選挙を経て誕生した第2次高市内閣は、これまでの内閣ではありえなかったほど、高い支持率を得ています。
第1次高市内閣はようやく発足したと思えば、たちまち、野党や主要メディア、さらには自民党内からもさまざまな攻撃を受け続けました。国会では野党からヤジを飛ばされ、レベルの低い質問に振り回されました。
■あぶり出された中国の影
とくにひどかったのが立憲民主党で、国会では岡田克也議員が執拗に、失言を引き出すための質問を繰り返しました。誘導尋問を投げ続けた結果、岡田氏は高市首相から、台湾有事発言を引き出しました。
主要メディアはここぞとばかり、大きく報道し、その報道を見た中国が飛びついてきました。
中国駐大阪総領事の薛剣氏が、過激な発言で高市首相を罵ったのです。彼が参考にしたのが朝日新聞の電子版の記事だったといわれています。既に削除され、別の記事に差し替えられていますが、それだけ煽情的な見出しであり、記事内容だったのでしょう。
高市首相の台湾有事発言に、中国政府自体も、すぐさま反応しました。
日本への渡航自粛の呼びかけ、水産物の輸入停止、留学生の就学禁止、パンダの引き上げ、挙句の果てはレアアースの輸出停止、さらにはヨーロッパなど海外での陰口外交など、ありとあらゆる嫌がらせを、高市内閣に仕掛けてきました。
発足したばかりの高市内閣を徹底的に叩き、ひざまずかせようとしたのです。
中国にしてみれば、保守色の強い高市内閣の誕生は、危険そのものでした。これまでのように日本を思い通りに動かせなくなるばかりか、築き上げた利権さえ奪われかねなかったのです。
ところが、高市内閣は、次々と仕掛けてくる中国の脅しに対し、断固とした姿勢を貫きました。誤った情報には堂々と抗議しながら、中国との対話の窓口を閉じることはありませんでした。騒ぎ立てず、静かに対応し、洗練された外交を展開しました。
高市内閣は、中国の理不尽な態度にじっと耐えました。
その一方で、これまでの政権には見られなかったロジカルで凛とした態度を世界に示しました。少数与党の第1次高市内閣が、戦狼外交を繰り広げる中国に対し、毅然とした態度を貫いたのです。
子どものように騒ぎ立てる中国に対し、静かに大人の対応を見せる第1次高市内閣に、どれほど多くの日本人が胸のすく思いをしたことでしょうか。多くの国民は心の中で拍手喝采をしました。このわずか4か月間に、高市内閣が展開した明るくて強い外交が、日本人に、忘れていた誇りを取り戻してくれたのです。
高市首相の台湾有事発言をめぐって、国内でもさまざまな対応が見られました。政治家や評論家はもちろんのこと、主要メディア、一部の企業、芸能人に至るまで、高市首相の発言の揚げ足を取り、口汚く非難しました。
■中国での利権
その後、わかってきたのは、反高市で動いた人々の多くが、中国から何らかの利益を得ていることでした。
たとえば、高市首相から台湾有事発言を引き出した岡田克也氏の場合、兄の岡田元也氏がイオンのCEOで、中国で大きな事業を展開していました。
イオンは、2008年から中国での事業を展開し、2025年4月時点で北京、天津、山東省、江蘇省、浙江省、湖北省、湖南省、広東省に24店舗を出店し、2025年11月にはさらに湖南省の店舗が加わり、計25店舗となります。
2030年までに中国全土で31店舗体制を目指し、とくに成長性の高い内陸部や長沙市などに集中して出店し、日本式のサービスやデジタル技術を活用した高機能な大型モールを運営するという計画でした。
2025年11月27日、湖南省長沙市で、オープンしたばかりの「イオンモール長沙湘江新区」は、湖南省第2号店でした。

(※ https://www.47news.jp/13516083.html)
大勢の人々が開店したばかりのイオンモールに押しかけている様子がわかります。延床面積が約23万平方メートルだといいますから、東京ドーム(約4.7万平方メートル)のなんと5倍ほどになります。
巨大な規模の店舗に、4大勢の人々が押しかけているのですから、莫大な利益が見込まれているのでしょう。
■みずほ銀行エコノミストの記事
衆議院選挙期間中の2月2日、みずほ銀行は「みずほマーケット・トピック」を公開しました。
こちら → https://www.mizuhobank.co.jp/forex/pdf/market_analysis/econ2600202.pdf
記事のタイトルは、「高市演説を受けて~危うい現状認識~」です。きわめて煽情的なタイトルが示すように、要約部分もまた感情的なものでした。
みずほ銀行チーフエコノミストの唐鎌大輔氏が書いた記事の冒頭要約部分は、次のような内容です。
まず、「週末は高市首相の情報発信が大いに注目された。衆院選の応援演説において円安が関税バッファーとして作用しているほか、外国為替資金特別会計(以下外為特会)の抱える外貨資産の含み益が膨張している状況を用いて円安が好ましい相場現象であるかのような発言を行ったことが注目されている」と記しています。(※ 唐鎌大輔、「みずほマーケット・トピック」2026年2月2日)
彼が根拠としたのは、日経新聞2月1日の記事でした。
こちら → https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA010HQ0R00C26A2000000/
ここから高市首相の発言を切り取って、記事のネタ元にしています。少々、長くなりますが、高市首相の応援演説を引用しましょう。
「国内投資がとことん低い。だからよその国は今もう何をしているかって言ったら、海外に投資してるんじゃなくて、自分の国内に投資をする。自分の国内で工場をつくる。自分の国内で研究開発拠点をつくる。だから、自分の国内で投資をしているんです。ここは日本は弱かった。ガラッと変えようとしてます。高市内閣で。
だって為替変動にも強い経済構造をつくれるではないですか。国内でつくるんだから。為替が高くなったが、それがいいのか悪いのか、円高がいいのか、円安がいいのか、どっちがいいのか、皆わからないですよね。
むかし、民主党政権の時、たしかドル70円台の超円高。日本で物をつくっても輸出しても売れないから、円高だったら輸出しても競争力ないですよね。日本の企業、海外にどんどん出ていっちゃった。
それで、失業率もすごい高かった。そっちがいいのか。今円安だから悪いって言われるけれども、輸出産業にとっては大チャンス。食べ物を売るにも、自動車産業も、アメリカの関税があったけれども、円安がバッファーになった。ものすごくこれは助かりました。
円安でもっと助かってるのが、外為特会っていうのがあるんですが、これの運用、今ホクホク状態です。
だから円高がいいのか、円安がいいのかわからない。これは総理が口にすべきことじゃないけれども、為替が変動しても強い日本の経済構造を一緒に私はつくりたい。だから国内投資をもっと増やしたい。そう思ってます」
上記は日経新聞がまとめた高市首相の応援演説です。大勢の聴衆が集まった会場での発言ですから、多少の誇張もあれば、簡略化もあるでしょう。文書化され、整理された発言ではありません。ところが、唐鎌氏は文脈を読まずに切り取って、取り上げ、次のように自身の見解を述べているのです。
「総じて、今回の高市発言が円安容認だったかどうかは本質的な話ではない。それよりも「為替が修正されれば、日本企業の行動変容が劇的に期待できる」という前時代的な価値観が温存されている可能性の方が気になったし、さらに言えば、外為特会が果たして有事の際に温存されておくべき弾薬と理解されているのかどうかも気がかりであった」(※ 唐鎌大輔、「みずほマーケット・トピック」2026年2月2日)
「・・・、本質的な話ではない」とか、「前近代的な価値観が温存されている可能性が気になった」、「外為特会が果たして有事の際に温存されておくべき弾薬と理解されているのかどうかも気がかりであった」等々。唐鎌氏の言葉使いが感情的で、独りよがりで、煽情的なのが印象的でした。
要約の後で展開された本文も同様、恣意的な表現、根拠を示さない決めつけ、乱暴な展開が気になりました。このような雑なレポートが選挙期間中に公表されたのです。
このレポートが発表されると、野党や一部のメディアが騒ぎ、首相を非難しました。たとえば、TBSは次のような報道をし、拡散していました。
■TBSの報道
高市早苗首相が、1月31日の衆院選応援演説で、「外為特会で、運用が今ホクホク状態だ」と発言したことについて、2月3日、TBSは次のように報じています。
こちら → https://youtu.be/fHToz4ZdNkw
(※ CMはスキップするか、削除して視聴してください)
「高市総理の“円安でホクホク”発言余波続く きょうも円安進行」といった切り取りで報道されていました。
この動画を見ればわかるように、高市首相は、「円安でもっと助かっているのが外為特会、これの運用、今ホクホク状態です。だから円高がいいのか、円安がいいのかはわからない。これは総理が口にすべきことではないけれども、為替が変動しても強い、日本の経済構造を作りたい」と述べています。
高市首相の発言の主旨は、明らかに「為替が変動しても強い、日本の経済構造を作りたい」でした。ところが、画面に為替のボードが表示され、「円安を招いたのが高市首相・・・」といったナレーションで始まります。
2月2日にみずほ銀行のエコノミストがミスリードするようなレポートを出し、それを受けて3日にテレビが報道したことで、市場が反応しました。“総理の発言は円安を容認している”との受け止めが広がり、円売りが加速したのです。
片山さつき財務大臣は、2月3日、記者会見を行い、次のように述べました。
「総理は円安が経済に与える影響について、一般論として輸入物価の上昇を通じて国民生活や事業活動の負担を増加させるといったマイナス面がある一方、国内投資が進み、国内で生産した製品が海外に輸出しやすくなることを通じ、企業の売り上げが改善するといったプラス面もあるという、教科書に書いてあることを申し上げたのであり、特に円安メリットということを全然強調しておりません」(※ 前掲ユーチューブ)
片山氏は、高市首相の発言はあくまでも「円安が経済に与える影響の一般論」だと述べ、円安により輸入物価が上昇して国民生活や事業活動の負担が増す一方で、輸出しやすくなり企業の売り上げが改善するといったプラス面もあるという、「総理が日ごろ思われている教科書的な整理だ」と説明し、「私も財務大臣として全く同じ(見解)だ」との認識を示しました(※ 『時事通信』、2026年2月3日)。
■コメント欄にみるテレビ報道の影響
この動画のコメント欄を見ると、ほとんどすべてのコメントが否定的なものでした。「金融のプロ中のプロのみずほ銀行が異例のレポートで高市演説を批判するほどの日本経済への打撃」といったコメントがありましたので、みずほ銀行エコノミスト見解が、高市下げに一定の効果を与えたことは明らかです。
コメント欄で唯一、中立的で客観的な意見が見られました。ご紹介しておきましょう。
「高市首相は円高のデメリットも伝えています。故意に円安のことしか切り取りせず偏向報道し、揚げ足取りする行為は公職選挙法、放送法違反でしょう」
「悪夢の民主党政権では、円高1$75円が進行しすぎて、国内企業は海外に工場を移動してしまい、国内の失業者は大幅に増えました。海外の工場で作った物を日本に逆輸入することになってしまった。輸出国なので1$300円でも上等です。悪夢の民主党政権時では長引くデフレにより、日経平均株価は7000円台にまで暴落し、完全失業率5%越えと経済はボロボロになりました」
このコメントは、まず、選挙期間中にこのような内容の放送を流したTBSに対し、放送法違反だと指摘しています。そして、円高のデメリットの部分を過去の事例に基づき、説明し、デフレに陥った日本経済がボロボロになったことを思い出させてくれています。
さて、選挙期間中に、高市首相の応援演説から一部を切り取り、「高市下げ」の記事を公表したのは、みずほ銀行エコノミストでした。煽情的な語句でつづられた文章だっただけに、人々を感情的に動揺させました。
こちらも岡田氏の場合と同様、中国での利権と絡んでいたことがわかりました。
■みずほ銀行、中国に証券会社を新設
みずほフィナンシャルグループ(FG)は2025年10月1日、中国での証券子会社の新設を巡り、中国証券監督管理委員会(CSRC)から許可を受けたと発表しました。
新会社の社名は、「みずほ証券(中国)有限公司」で、傘下のみずほ証券が100%出資し、北京市に設立します。資本金は23億人民元(約500億円)を予定しており、主に中国企業が発行する社債を引き受け、投資家に販売する債券ビジネスを展開します。
こちら → https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP697516_R01C25A0000000/
2023年にCSRCに証券会社設立を申請し、24年に受理されていました。
こちら → https://www.mizuho-fg.co.jp/release/pdf/20240624release_jp.pdf
開業時期は、現時点ではまだ、「回答できる段階にない」ようですが、開業後は主に中国企業の債券の引受業務や、中国の債券市場でのセールス&トレーディング業務を手がけるといいます。
こちら → https://www.mizuho-fg.co.jp/release/pdf/20251001release_jp.pdf
中国ではすでに、傘下のみずほ銀行を通じ、銀行間取引市場で、証券化商品や人民元建て債券「パンダ債」の引受業務を展開してきました。新たな証券会社を通じて、証券取引所を介した債券売買にも参画し、現地で人材を採用ことも予定しているといいます(※ 日経新聞、2025年10月1日)。
中国は、2020年に証券会社に関する外資規制を撤廃し、株式市場を含む中国資本市場に外国金融機関がより積極的に参入する道を開いていました。ゴールドマン・サックスやBNPパリバなども相次いで、全額出資の証券部門を開設する認可を受けています(※ ロイター、2025年10月1日)。
みずほ銀行は、中国の金融政策に沿って、北京で証券会社を立ち上げていたのです。もちろん、共産党政権に覚えめでたくなければ、できる話ではありません。
こうしてみてくると、みずほ銀行チーフエコノミストの唐鎌氏の記事は、ポジショントークだったといわざるをえません。選挙期間中にあえて「高市下げ」の記事を公表して騒ぎを大きくし、反高市工作を行っていたとしか思えないのです。
工作活動を行っていたのは、もちろん、日本人ばかりではありません。中国政府やその周辺もまた、反高市工作を行っていました。
■中国による反高市工作
日経新聞は、今回の衆院選に関し、SNSを使った情報工作とみられる動きが見つかったと報じています。Xのデータを分析したところ、400ほどの中国系アカウントが連携し、高市早苗政権の印象を下げる投稿を拡散していたというのです(※ https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00020520W6A210C2000000/)。
衆院解散が報道された1月中旬、次のようなハッシュタグ(拡散を狙ったキーワード)がX上に広がり始めました。

(※ https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00020520W6A210C2000000/)
このようなハッシュタグをつけて投稿していた複数のアカウントが見つかりました。それらを並べて比べると、投稿パターンやプロフィル情報が不自然に一致していました。
日本経済新聞は、これらの投稿データを精査し、情報工作を目的としたアカウントを探りあてました。その結果、情報工作アカウントが、一般的な利用者とは異なる動きをしていたことがわかりました。
たとえば、共通ハッシュタグの多用、プロフィル画像の使い回し、法則性があり、酷似した利用者ID、等々です。さらに、投稿者を特定できる情報がない匿名によって、同じパターンの内容を、他のアカウントと連動して投稿するといったことも主な特徴でした。
日経新聞はこの調査結果に基づき、次のように報じています。
「8日投開票の衆院選に関し、X(旧ツイッター)のデータを分析したところ、情報工作とみられる動きが見つかった。400ほどの中国系のアカウント(投稿者)が連携し、高市早苗政権の印象を下げる投稿を拡散していた」(※ 日経新聞、2026年2月23日)
中国語の表現や字体を含むアカウント、あるいは、中国政府に近いアカウントとつながりのあるアカウントなど、400ほどの中国系アカウントが連携し、高市政権の印象を下げる投稿を拡散していたというのです。
言語別に発信量の推移を示したグラフも、掲載されていました。

(※ 日経新聞、2026年2月23日)
上の図で明らかなように、工作に使われたとみられる一連のハッシュタグの投稿は、1月14日ごろから急激に増え、解散表明直後の1月20日には中国語と日本語を合わせて600件を超えました。
400ほどある工作アカウントの少なくとも76%は、選挙直前の25年12月以降に開設されていました。運営側のXも、この不自然な動きを検知しており、凍結・閲覧制限に動きました。工作アカウントのうち2月4日時点で4割超が、Xから事実上の「不正認定」をされています。
このようなアカウントは選挙期間中に、次々と凍結されたのですが、新たな工作アカウントが毎日、補充され、ハッシュタグは拡散され続けました。工作の拡散パターンを分析すると、工作アカウントには2つの類型があることがわかったといいます。すなわち、「発信源アカウント」と「拡散加速アカウント」です。ちなみに、「発信源アカウント」とは、中国政府の主張をなぞる投稿を中国から大量に発信するものを指します(※ 前掲URL)。
Xの推定では、中国系の工作活動は、アカウントを数百万規模で動かすことができます。ところが、今回、工作のために動かしたアカウントの規模は、その潜在能力に比べて少ないものでした。したがって、今回の工作の主目的は、選挙への介入よりも、ステルス化(探知されにくくする技術)やAI画像など、様々な手法を試すことにあったのではないかと推測されています。
■AI画像を使った工作
PwCコンサルティング(https://www.pwc.com/jp/ja/about-us/member/consulting.html)の村上純一パートナーは、生成AIが普及したことによって、言語などによる壁がなくなり、情報工作をする側にとっては、「何を目的に、いつ、どのテーマで工作を仕掛けるか」だけの問題となっていると指摘します。
たとえば、社会的対立をあおるAI画像の例があります。

(※ 前掲URL。別々に投稿された画像を日経新聞が1枚にまとめて配置)
上の図は、社会保障をめぐる若年層と高齢者層との対立、夫婦別姓をめぐる問題などを可視化したAI画像です。画像をメインに置くことによって、メッセージを簡略化し、明確化できるので、印象操作をしやすくなることがわかります。
現時点では、まだ文字に中国語の痕跡が残ったりしており、品質レベルは低いです。とはいえ、今後、AI技術が進化していくことによって、より自然な画像や文章が量産できるようになるのは確かです。選挙時に限らず、平常時にも、印象操作や分断工作の脅威はさらに増していくことでしょう。
■情報戦、認知戦に耐えて、圧勝!
ネット上では情報戦が激しさを増しています。なにも中国系のアカウントに限りません。ロシア政府が背後にいるとみられるグループが、米国など諸外国の選挙に介入した事例がすでに確認されています。
今回の選挙では、国会でも政治家による妨害工作が行われましたし、経済界でもエコノミストによる「高市下げ」の印象操作が行われました。それでも、高市内閣は圧勝しました。選挙後も高い支持率を維持しています。
いったい、なぜなのでしょうか。
興味深いのは、高市首相の解散理由です。
2026年1月23日、記者会見を開いた高市首相は、「高市早苗に、国家経営を託していただけるのか。国民の皆様に直接、御判断を頂きたい」と解散の理由を述べました(※ https://www.jimin.jp/news/press/212284.html)。
確かに、高市内閣は就任すると、「日本列島を、強く豊かに」するため、重要政策を大転換し、全く新しい経済・財政政策を始めました。その多くが、前回の衆議院選挙で、自民党の政権公約には書かれていなかった政策でした。
「重要な政策転換について、国民の皆様に正面からお示しし、その是非について、堂々と審判を仰ぐことが、民主主義国家のリーダーの責務」という首相の考えは筋が通っています。そして、政策転換の本丸は、「責任ある積極財政」だといい、「行き過ぎた緊縮志向。未来への投資不足。この流れを、高市内閣で終わらせます」と表明したのです。
■アジェンダ設定による勝利か
積極的で、挑戦的な政策を象徴するような、自民党のポスターが作成されました。

(※ https://www.jimin.jp/news/information/212092.html)
赤と白、黒で色構成されたポスターには、洗練された都会風のテイストと、果敢にチャレンジする泥臭さと力強さが感じられます。高市内閣が掲げた「日本列島を、強く豊かに」のスローガンが見事に表現されているのです。
「高市氏」(自民党)か、それとも、「野田氏&斎藤氏」(中道改革連合)か、と二者択一を迫られたら、ほとんどの国民は「高市氏」を選ぶしかないでしょう。「テンポよく、積極的に政治を動かすリーダー」か、それとも、「周りへの忖度に終始し、いつまでも決められないリーダー」か、多くの国民にとって、答えは一つでした。
高市内閣には、国民にアピールするための政策アジェンダはたくさん、ありました。ところが、高市首相は、敢えて簡略化し、リーダーの資質に落とし込んで、アジェンダ設定をしたのです。「明るく未来を描き、テキパキと行動する女性」か、それとも、「現状維持にこだわる、暗く、覇気のない高齢男性」か、きわめてわかりやすく、対立構造が創り出されました。
結果は明々白々でした。
こうしてみてくると、自民党の圧勝は、卓越したアジェンダ設定によるものだったといわざるをえません。中国がどれほど強烈な情報戦、認知戦を仕掛けてこようとも、はるかに及ばないほどの訴求力が、このアジェンダ設定にはあったのです。
今回の選挙では、情報技術の発達とSNSの普及によって、いつの間にか、認知戦の時代に突入していることが明らかになりました。
これまでの情報戦やこれからの認知戦に対し、日本は今後、どう対応していくべきか、これもまた、高市内閣2.0が取り組むべき喫緊の課題です。(2026/2/25 香取淳子)




