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小保方氏ファッション

小保方氏ファッションが放つメッセージ

ファッションが放つメッセージ

春のサンクスフェア開催の案内ハガキが届きました。100個限定販売の指輪とペンダントが対象です。輝かしいデザインを見ていて、ふと、小保方氏の指輪を思い出しました。そこで、今日は小保方氏の論文発表時のファッションを読み解いてみたいと思います。

■当初から違和感があった「STAP細胞」案件

STAP細胞案件については発表当初から違和感がありましたので、一般紙の記事を読んだぐらいで深追いはしませんでした。割烹着、イヤリング、指輪、バッチリメーク、巻き毛の女性研究者など見たことがなかったからです。仮にこの日限りのデモンストレーション、マスコミ向けのファッションだったのだとしても、なぜ、小保方氏は同意したのでしょうか。このようなファッションで論文内容の発表をすることに抵抗を示さなかった小保方氏に研究者としての’うさんくささ’を感じていました。ですから、2月末ごろまでは興味の対象外でした。

■論文発表時の小保方氏ファッションへの違和感

正確にいうと、別の意味ではこの日のファッションには興味をそそられました。あまりにもちぐはぐでしたから、いったい誰がこのファッションを企画したのか、ということには関心が向きました。

意表を突かれた割烹着姿は、秋葉原のメイド喫茶で見受けられる「メイド服」のオジサン版ともいえます。ところが、ややカラーリングした巻き毛、バッチリメークは「メイド服」にぴったりです。そして、極めつけは、ヴィヴィアンウェストウッド(Vivienne Westwood)の指輪です。小保方氏の記者発表以来、注目を集めていますが、このファッションブランドは1970年代に前衛的な若者の間でブレークしたそうです。

■Vivienne Westwood指輪の持つ意味

このVivienne Westwoodは、1941年英ダービーシャーで生まれたヴィヴィアン・イザベル・スウィアが作ったファッション・ブランドで、前衛的なバンク好きにはカリスマ的な存在だったそうです。そして、填めていた指輪はNew Orb Poison Ring(下図)といわれるものだそうですが、その原型であるPoison Ringは、中に薬や毒を入れられるようになっている指輪で、16世紀のヨーロッパで流行し、敵に毒を盛ったり、捕虜になった際、自害するために用いたといわれています。

poison ring

 

2年前に販売終了しているこの指輪を小保方氏は填めていました。この指輪の原型であるPoison Ringには毒という名がついていますから、それなりの物語があります。専門店によると、「そのリングの中に毒を隠し持ち、もし恋人に不慮の死が訪れた際には、自分もその指輪に隠し持った毒を持ってすぐに死を選択し、恋人のもとへ旅立つ」という恋人への決意、誓いを込めて作られたという物語があるそうです。

出典:リング指輪 アンティークジュエリー専門店http://www.antique-i.net/catalog/ring/R0131V.html

■違和感の背後にある中高年男性の美意識、価値観

論文発表時の小保方氏のファッションに私は違和感を覚え、ちょっとした不快感を覚えてしまいました。おそらく、その背後に中高年男性の美意識、価値観が見え隠れしていたのを感じてしまったからだと思います。

「実験用の白衣」ではなく「割烹着」を着けた小保方氏は、「研究者」ではなく「家庭を維持する女性」を願望する男性の価値観の反映であり、バッチリメーク、カラーリングした巻き毛、ミニスカートは「セクシーな若い女性」を願望する男性の美意識の表れとみることができます。

さらに問題の指輪は、70年代のイギリスで一世風靡したファッションブランドの製品でした。3,40年ほども前の前衛的なパンクファッションの系譜を引くブランドの指輪を着用していたことからも、小保方氏のファッションには中高年男性の美意識が背後に働いていたことが推察されます。上図の形を見てもわかるように、上がとんがっており、普段は使いづらい指輪です。パーティなどで着用するにしてもよほど気をつけないと何かにひっかけてしまう恐れがあります。買っても滅多に着けることはないでしょう。ですから、若い小保方氏がはたして自分でこの指輪を購入したのかどうか疑問です。

■論文発表時のファッションが放つメッセージ

この指輪には「恋人への決意」を表すという物語がありました。そのような物語のある指輪をわざわざ論文発表時に填めていたということは、話題集め以上の大きな意味があります。この指輪を填めることが自発的なものであったにせよ、あるいは、強制されたものであったにせよ、小保方氏にとって何か問題が生じたとき、「裏切らない」「ともに死ぬ(研究者としての生命を断つ)」という決意の表明であったのでしょう。少なくともそのことを当事者たちは意識していたのではないでしょうか。

そう考えると、当事者たちは発表段階で、将来、何か問題が生じる可能性を想定していたともいえます。もっとも、そのことはこのファッションを企画したヒトだけが承知していたことなのかもしれません。何らかの事情で問題のある論文を発表せざるをえず、良心の呵責にかられてそのことを伝えようとし、敢えて研究者らしからぬファッションを小細工していたのかもしれません・・・。穿ち過ぎでしょうか。

ひょっとしたら、この奇妙なファッションは、心ある人は読み解いて欲しいという当事者からのメッセージだったのかもしれないのです。そうだとしたら、それこそ、この「STAP細胞」事件の背後で「大きな力」が働いていたと考えざるをえなくなります。・・・、また、気が向いたときに、新解釈をしてみたいと思います。(2014/4/21 香取淳子)