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第50回練馬区民美術展が開催されています。

第50回練馬区民美術展が開催されています。

■第50回練馬区民美術展の開催
 練馬区立美術館で2019年2月2日から2月11日まで、第50回練馬区民美術展が開催されています。

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 洋画Ⅰ(油彩画)、洋画Ⅱ(水彩画・パステル画・版画など)、日本画(水墨画を含む)、彫刻・工芸など4部門270点ほどの作品が展示されていました。時間の都合で洋画Ⅰと洋画Ⅱ部門だけを見て回りましたが、今回は全般に水準の高い作品が多いように思えました。

 私はFサイズ20号の油彩画を出品しました。

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 2Fの会場入ってすぐ左側に、今回、美術館長賞を受賞した作品と隣り合わせで展示されていました。向かって左が私の作品(「冬の日」)、右が藤岡武義氏の受賞作品「中国宏村の古民家群」です。人々の行きかう様子、水面に映った古民家群などが表情豊かに描かれていて、引き込まれます。とくに、太陽の射し具合、水面を揺らす小波など微妙なところが丁寧に捉えられており、味わい深い作品に仕上がっていると思いました。

■印象に残った作品
 洋画Ⅰで展示されていた油彩画は85点でしたが、印象に残った作品を一つ、ご紹介しておきましょう。

横山志な乃氏の「日溜り」です。

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 日溜りの中の温かさを求め、どこからともなく、小鳥たちが集まってきたのでしょう。柔らかな羽毛に心地よさそうな陽光が射しています。ふと見ると、足元の葉にも柔らかな陽射しが伸びています。葉の表面はところどころ射しこんだ陽光を浴びてつややかに光っています。右の奥には枯れ木、そして、上方はいかにも寒そうな空が広がっており、身を寄せ合って暖を取る小鳥たちの姿を際立たせています。この作品を見ていると、寒い冬の日、ようやく訪れたひとときの幸せを感じさせられます。

 次にご紹介するのは、杉山けり氏の「暗い一日」です。この作品は洋画Ⅱ部門(水彩画・パステル画・版画など油彩画以外)で展示されていた作品112点のうちの一つで、教育委員会賞を受賞しています。

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 黄色を背景色に、まるで何かを睨みつけているかのような表情の若者の姿が、黒を基調にさまざまな色彩の中で捉えられており、印象的です。背景も顔もシャツ、肩や腕も図案化され、色彩の組み合わせも豊かに表現されています。この作品を見ていると、「暗い一日」というタイトルが響いてきます。構図といい、色彩の取り合わせといい、さまざまな形状の構成といい、アイデアが素晴らしいと思いました。

 今回、洋画Ⅰ、洋画Ⅱ部門の作品を鑑賞し、改めて、さまざまなモチーフ、さまざまな捉え方、表現技法があるものだということを思い知らされました。(2019/2/3 香取淳子)

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